歯の神経(歯髄)を抜けば、歯の痛みは治まるのか?

虫歯が進行するとの神経(歯髄)が炎症を起こし、歯髄炎が生じて歯が痛みますが、悪化すると歯髄を抜かない限り痛みは治まりません。歯髄を抜くことを抜髄といいます。

抜髄後、歯髄が入っていた空洞(根管腔)をキレイに掃除して詰め物をすると(根管充填)、痛みを感じる歯髄は既に存在しないため、痛みは消失します。このように根管腔をきれいにして根管充填するまでの一連の治療を根管治療といい、適切な根管治療をしてもらうことが重要です。

根管治療後、何日くらいで痛みが改善するかを調べた報告があります (1)。根管治療前、治療24時間後、1週間後を比較してみると、治療前の痛みは24時間後に改善し、1週間後には最小化しました。

拡大視野下での治療における科学的根拠(エビデンス)

マイクロスコープを使用した根管治療の中で、外科的にアプローチした治療は、マイクロスコープなしの治療と比較して治療成績が良いことを示す論文があり 2)、根管治療においてはマイクロスコープの有用性は高いとされています。(詳細は「ラバーダムやマイクロスコープは、根管治療の成功率に影響しますか?」参照)

それに対して、虫歯治療において拡大鏡(歯科用ルーペ)やマイクロスコープを使用する拡大視野下での治療の結果と裸眼での治療の結果とを比較した論文は存在するのでしょうか?論文検索をしたところ、残念ながら明確なエビデンスがある状況とは言えませんでした。

拡大視野下と裸眼での虫歯に対する診察と診断の正確さに差があるか?を調べた論文では、拡大視野下と裸眼での診察と診断の正確さには差が出ないということを示しています 3)。つまり、拡大鏡(ルーペ)やマイクロスコープの使用と裸眼とでは、虫歯の発見には大差がないということです。

そして、拡大視野下と裸眼の虫歯治療の結果の違いを示す高いエビデンスレベルの論文は存在しませんでした。つまり拡大視野下で虫歯治療すれば、良い結果が得られる可能性が高まるとは明確に示されていないのが現状です。 歯科用マイクロスコープ